治療「CURE」から予防「CARE」の時代へ
毎日しっかり歯ブラシしても
セルフケアだけでは限界があります

ドラックストアでオーラルケア用品の数や種類は驚くほど増えており、セルフケアに対する関心の高まりには目を見張るものがあります。
その一方令和6年歯科疾患実態検査では、歯周病が進行した状態で4mm以上のポケットがある人は「20~24歳で26.4%」「25~29歳で24.4%」「30~39歳で27.2%」と言われており、年々増加傾向にあります。
歯科検診により、早期に正確な診断の下、セルフケアに加えて歯科医院でのプロフェッショナルケアを取り入れていく必要があります。

こんなお悩みは
ありませんか?

  • 歯ぐきから血が出る
  • 噛むと違和感がある
  • ものが詰まりやすい
  • 朝起きると口の中がネバつく

当院では歯周病
リスク評価OHISで
お口の健康を
サポートします

OHISによる歯周病リスク評価結果。スコアは13で「中等度の歯周病」領域。2006年2月→11月の経過で病状スコアは60→13に改善し、歯周病リスクは5→4(高リスク)に低下。

歯周病は20代からの罹患率が20%以上もあるにも関わらず、「年を取ってからしかかからない」「自分は大丈夫」という方がまだまだ過半数を超えています。
自覚症状がない場合が多いうえ、歯科医院を受診したとしても漠然としており、「今どのような状態なのか」「このままいくと10年後どうなるのか」「半年通院して良くなったのか」等、わかりにくいことも関係しているのではないかと考えます。
当院では、患者さまと我々が、病状に関して同じ理解をすることが大事と考え、「歯周病リスク評価 OHIS」を用いて視覚化します。
また、歯周病についても理解を深めていただき、患者さまと二人三脚で治療していくということを重視しております。
歯周病は複雑です。プラークコントロールだけではよくなりません。
的確にアプローチしていきます。

どんな病気かご存じですか?

歯周病は、歯周病菌による炎症が原因で、歯ぐきの出血や腫れを引き起こしながら歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしていく病気です。
最終的には歯が抜け落ちることもあります。近年では、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があることがわかってきました。まずは、この病気について正しく理解することが大切です。

歯周病とは?

そもそも歯周病とはどういうものなのか

歯周病とは、歯周病菌が起こす炎症により歯を支える骨や周囲の組織が破壊され、放っておくと最終的に歯を失う病気です。30歳以上の成人の約80%がかかっています。
全身疾患との関連性も明らかになってきています。
サイレントデイジーズ(静かなる病気)と言われており、初期段階では自覚症状はほぼありません。

歯周病の原因

正常な状態(左)と歯周病(右)の比較図。正常:歯肉溝は深さ約1mmまで、歯肉はピンクで引き締まっている。歯周病:歯垢・歯石が歯周病菌など細菌の温床となり、歯周ポケットができて歯肉に炎症が起こり歯肉溝が深くなっている。歯槽骨は溶け始めている。

歯周病の主な原因は、歯周病菌とバイオフィルムです。
歯や歯ぐきの間にプラーク(歯垢)が付着し、成熟すると、そこに細菌の塊が定着し、バイオフィルムを形成します。
このバイオフィルムは歯肉溝に溜まり、時間がたつと増殖し、歯の周りの骨をとかしていきます。
時間がたったバイオフィルムは歯磨きだけでは落とせません。抗生剤も効かない強固なものです。
歯ぐきよりも上の部分と、下の部分、両方のバイオフィルムを除去しない限り、歯周病は改善しません。

当院の歯周病予防・治療

歯周病の入り口

歯肉炎は歯ぐきだけに炎症が起きる状態です。放置すると歯周炎へ進行し、歯を支える歯槽骨が溶け始めます。その結果、歯周ポケットができ、これが歯周病の始まりとなります。

歯肉炎・軽度歯周炎

軽度歯周炎の症状
  • 歯肉が赤く腫れる(辺縁歯肉に炎症が起こる)
  • 痛みや自覚症状はない
  • 歯磨きをすると出血することがある
軽度歯周炎の治療方法
歯磨き指導(TBI)

歯周病の原因であるバイオフィルム(プラーク)を自宅でしっかり除去することが、治療の効果を高めるポイントです。
当院では、正しい歯磨き方法を身につけていただき、歯周病の進行を防ぎ、改善につなげます。

バイオフィルム(プラーク)・歯石の除去

口腔内のバイオフィルム(プラーク)や歯石を取り除く処置です。歯石は歯みがきだけでは除去できないため、歯科衛生士による専門的なクリーニングが必要です。正しい歯みがきを習慣にしても、すべてのプラークを落とすのは難しいため、歯周治療や定期メインテナンスで衛生士がしっかりケアします。継続的なメインテナンスが歯周病予防につながります。

歯のグラつきや口臭が目立つ

朝起きたときに口の中がネバつくようになり、歯を支える歯槽骨が大きく減って歯がぐらつき始めます。口臭も目立つようになり、日常生活にも影響が出てきます。

中等度歯周炎

中等度歯周炎の症状
  • 歯肉が腫れている
  • 歯が長くなった(歯ぐきが下がった)
  • 優しく歯磨きしても出血する
  • 歯と歯の隙間が開いている
  • 歯磨きが痛くてできない
  • 口臭が強くなってきた
  • 歯がグラグラしてきた
  • 硬いものが噛みにくい
  • 歯が浮いた感じがする
中等度歯周炎の治療法
歯磨き指導(TBI)

中等度の歯周炎でも、まずは歯みがき指導から治療を始めます。早く改善したいと思われるかもしれませんが、プラークコントロールが不十分だと歯周病は改善しません。痛みを伴う場合には、患者さまに合った歯ブラシもご提案します。

歯肉縁上・歯肉縁下の歯石除去

歯槽骨が大きく失われると深い歯周ポケットができ、歯肉の上だけでなく、下の歯石も除去する必要があります。
軽度の歯周炎より治療は難しく、時間もかかります。

再評価

治療内容ではありませんが、とても重要なステップです。治療の経過やプラークコントロールの状態を確認するために再評価を行い、歯周ポケットの改善や出血の減少が見られれば、安定した状態を保つため定期メインテナンスに移ります。改善が不十分な場合は、歯周外科治療へ進みます。

歯周外科治療(フラップ手術)

歯周外科治療にはいくつか方法がありますが、一般的には歯肉を切開・剥離して隠れた歯根面を露出させ、歯石やバイオフィルム(プラーク)を取り除くフラップ手術を行います。診断により適応があれば、歯周組織の再生を促す治療も行います。

歯周組織再生療法

歯周病で失われた歯周組織(歯槽骨など)を回復させる治療が、歯周組織再生療法です。
再生に用いる薬剤や手法はいくつかあり、患者さまの状態に応じて適切な方法を選びます。

咀嚼が困難になってくる

歯周病が進むと、歯がぐらつき、噛みにくくなることがあります。出血や痛みが増し、場合によっては膿が出ることもあります。歯列が乱れて出っ歯のようになることもあります。

重度歯周炎

重度歯周炎の症状
  • 歯肉の腫れ
  • 強い口臭
  • 出血
  • お口の中がネバネバする
  • 歯肉退縮(歯根が露出してしまう)
  • 普段から血の味がする
  • 咀嚼障害(噛めない)
  • 歯肉から膿が出る
  • 審美障害(出っ歯など歯並び悪くなる)
重度歯周病の治療法
歯磨き指導(TBI)

まずは歯みがき指導を行い、日々のケアの質を高めていただきます。正しい歯みがきは歯周治療やその後の予防・維持の基本です。
患者さまの努力は治療効果として現れるため、適切な歯ブラシもご提案・処方いたします。

歯肉縁上・歯肉縁下の歯石除去

まずは目に見える範囲のバイオフィルムや歯石を丁寧に除去します。基本をしっかり行うことで治療効果が高まり、患者さまの正しいブラッシングが身につくと、さらに良い結果が得られます。

歯の固定(必要に応じて)

歯周病で歯槽骨が大きく失われ、歯がぐらついて噛みにくくなっている状態です。
歯を固定することで噛めるようにし、同時にブラッシングしやすい環境を整えます。

咬み合わせの調整(必要に応じて)

咬み合わせによって特定の歯に強い負担がかかる場合は、高さを調整して力がかからないようにします。
咬合性外傷が歯や歯周組織に悪影響を与えないよう注意が必要です。

歯周外科治療

歯肉を切開して歯根を露出させ、付着した歯石やバイオフィルムを丁寧に除去します。目で確認しながら確実に感染部位を処置することが目的です。また、骨の形を整えることで、歯を長く残せる可能性が高まります。

歯周組織再生療法

失われた歯周組織を回復させるため、再生材料を用いた歯周組織再生療法を行います。再生の確認には、半年から約1年の経過観察が必要です。

根管治療(歯内-歯周病変が有る場合)

歯周病で歯ぐきが腫れている場合でも、歯の内部の疾患(歯内疾患)が同時に起きていることがあります。
その際は、歯の根の治療(根管治療)が必要です。

抜歯

歯周病の抜歯について重度の歯周病では歯を支える骨が失われ、歯を残すことが難しくなることがあります。その場合、炎症や感染を防ぐために抜歯が必要になることがあります。抜歯後は、入れ歯やインプラントで歯の機能を補うことができます。

機能回復治療

抜歯によって失われた咀嚼機能を回復するため、インプラントや部分入れ歯、あるいは両方を組み合わせた方法(インプラントデンチャーなど)を用いることがあります。咀嚼機能の回復と見た目の改善の両方に配慮しながら治療を行います。

検査・治療の流れ

当院では、日本歯周病学会のプロトコールをもとに治療を進めていきます。
歯周病は複雑です。患者さまごとに合ったアプローチを行っていきます。

左右にスクロールできます

検査~メインテナンスまでの流れ図。検査・診断→歯周病治療(プラークコントロール、SRP、咬み合わせの調整、抜歯)→①再評価→歯周外科治療(歯周基本治療で治りきらない場合、必要に応じて実施)→②再評価→口腔機能回復治療(咬合治療、修復補綴治療)→③再評価→SOT(支援・管理期間:段階を経て再評価、それまでケアを継続)→SRT(病状安定:進行が止まった4mm以上のポケットを維持するための定期治療へ)→治療メインテナンス(健康管理:歯ぐきに炎症がない/歯周ポケット3mm以下で出血がない、歯の動きが生理的範囲内)。注記「歯周基本治療が終わっても、ここからが再スタート」「治療に問題がなければ口腔機能回復治療へ」。

ウエラブル筋電計

ウエラブル筋電計

歯周病を安定させるための咬み合わせ治療・力のコントロールにも力を入れております。歯ぎしり・食いしばりに関してはウエラブル筋電計による分析にて、正しく診断できます。

ウエラブル筋電計

歯周病と糖尿病は
大きく関連しています

糖尿病治療中・糖尿病予備軍の患者さまへ

糖尿病と歯周病が互いに悪影響を与え合う悪循環を示す図。糖尿病により歯周病原因菌に感染しやすくなって歯周病が悪化しやすく治りにくくなり、歯周病の炎症は血糖コントロールを悪化させる。両方を治療・改善することで、歯周病の改善や血糖値の改善につながり、感染しにくい状態へ向かうことを表している。

糖尿病と歯周病の関係はご存じですか?
糖尿病が歯周病を治りにくくさせている場合があります。歯周病の治療が血糖値を改善させる可能性があります。

歯周病が全身の健康に影響し、脳卒中や心筋梗塞、腎症、神経障害、性機能障害などの原因となる場合があることを示す図。

当院では内科と連携し、6番目の合併症といわれつつある歯周病治療を奏功させたいと考えております。

当院の3つの取り組み

歯周病により、歯周病菌とケミカルメディエーターが歯ぐきの血管に入り込み、血流に乗って心臓や血管へ到達する様子を示す図。血管に流れ込んだ歯周病菌がアテローム性プラーク形成に関与して血管をせばめ(動脈硬化)、血栓で血管がふさがれることで、冠動脈では狭心症・心筋梗塞、脳の動脈では脳卒中につながることがある。弁膜に障害がある場合は菌がこびりつき心内膜炎の原因となることがある。

炎症性サイトカインのコントロールがポイント!
糖尿病患者やその予備軍である肥満者の内臓脂肪には「TNF-α(腫瘍壊死因子)」という物質がたくさん発現しています。
この物質は、白血球の一つ、「単球(マクロファージ)」からも分泌されて、炎症反応を活発化させます。 そのため、糖尿病と肥満の方の歯周病が悪化するということです。
当院では歯周病の炎症部位の面積を定量的に評価する指標、PISAを用いております。
この値から歯周炎の重症度だけでなく、炎症創の広がりを数値化することが可能です。
近年、歯周炎は糖尿病や動脈硬化症、虚血性心疾患などの血管疾患、慢性腎臓病など、様々な全身疾患の発症や進行に関連すると報告されています。

咀嚼能力測定による食生活アプローチも選択肢の一つです

奥歯がなかったり、
失った歯をそのままにして噛めない

噛める歯はあるけど、
あまり噛まずに食べている(早食い)

どちらも共通していますが、食べやすいものや柔らかいものばかり偏ること。
それらの食生活は噛む力を低下させ、糖尿病にも影響しています。

噛む力(咀嚼能力)を検査し食生活アプローチも行っております

噛めない・噛まないことで、自然と食べやすいものばかり食べていませんか?
脂質や糖質が多いと血糖値が上昇しやすくなります。
当院では、食生活シートを使って食生活の見直しも行っております。

その他歯周病と
関連のある疾患

生活習慣と病気の因果関係を示す図。ストレスや喫煙、偏った食事、過度な飲酒、運動不足などの生活習慣が肥満につながり、肥満は高血圧症・脂質異常症・糖尿病のリスクを高める。これらの状態が重なることで動脈硬化が進行し、最終的に脳出血・脳梗塞・心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こす可能性があることを表している。

肥満・メタボリックシンドローム

肥満・メタボリックシンドロームは慢性炎症状態を特徴とし、歯周病と双方向に関連する。脂肪組織から分泌される炎症性サイトカインは歯周炎を悪化させ、歯周病による炎症はインスリン抵抗性を高めると考えられている。

アテローム性動脈硬化由来の脳血管疾患

歯周病原細菌や炎症性物質が血流に侵入すると、血管内皮障害や動脈硬化の進展を促す可能性がある。その結果、脳梗塞などの脳血管疾患のリスク増加に関与すると考えられている。

アテローム性動脈硬化由来の心臓疾患

歯周病による慢性炎症は血管内皮機能を低下させ、動脈硬化やプラーク形成を促進する可能性がある。これにより虚血性心疾患などの発症リスクに関与することが示唆されている。

関節リウマチ

関節リウマチと歯周病はともに慢性炎症性疾患であり、炎症性サイトカインなど共通の病態機序を持つ。歯周病原細菌が自己免疫反応の誘導に関与する可能性も指摘されている。

肺炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

歯周病で増加した口腔内細菌が誤嚥により気道へ侵入すると、肺炎やCOPDの発症・増悪に関与することがある。特に高齢者では口腔ケアが重要である。

周産期合併症

妊娠中の歯周病は、炎症性物質の増加を通じて早産や低出生体重児出産のリスクに関与する可能性がある。そのため、妊娠期の口腔管理は重要である。

慢性腎臓病

歯周病による慢性炎症は腎機能低下の進行に影響する可能性がある。また、腎機能低下は歯周病の重症化を招くことがあり、両者は相互に関連している。