お口のトラブルの早期発見・
早期治療に努めています

加齢によって衰えやすいお口の機能を守るため、当院では機能トレーニングを取り入れ、オーラルフレイル対策に力を入れています。
オーラルフレイルは、早期発見と適切なケアによって進行を防ぐことが可能です。
口腔機能を維持することは、食事を楽しむ力を支えるだけでなく、全身の健康維持や生活の質の向上にも深く関わります。
地域の皆さまがいつまでも自分らしく安心して食事ができるよう、継続的にサポートしてまいります。

こんなお悩みは
ありませんか?

  • むせやすくなった
  • 頬や下唇をよく噛む
  • 入れ歯が合いにくい
  • 食事のたびに違和感や痛みがある

当院における
口腔機能低下症(オーラルフレイル)検査結果

加齢により心身の機能が低下すると、健常な高齢者から『フレイル』を経て要介護状態へ進むことがあるが、早期に適切な介入を行えば健常な状態に戻れる可能性がある。

「オーラルフレイル」、直訳すると「口の虚弱(筋力低下)」
口の筋力低下がすすみ、低栄養や誤嚥性肺炎・認知症など、様々な全身の病気につながることがわかっています。
東京大学の高齢者約2,000人を対象にした調査では、オーラルフレイルの人は、そうでない人に比べ、4年後の死亡リスクが2.09倍、要介護リスクが2.35倍になると発表されています。

検査の背景

口の衰えがフレイルへ進む段階を示す図。第1レベル(口の健康リテラシー低下)から歯の喪失リスクが高まり、口の小さなトラブル(滑舌低下・食べこぼし・噛めない食品の増加・むせ)へ。さらに口腔機能低下(口腔不潔・乾燥、咬合力低下、口唇や舌の機能低下、咀嚼・嚥下機能低下)によって低栄養やサルコペニアを招き、最終的に食べる機能の障がい(嚥下障害・摂食嚥下障害)から栄養障害・運動障害・要介護へつながる可能性があることを表している。

8020達成者が51.2%と半数を超える一方、超高齢社会が進み、要介護人口の増加が懸念されています。
健康寿命と伸ばすための取り組みとして、厚生労働省から推奨されている取り組みです。
口腔機能の改善だけではなく、十分な栄養摂取も含め、食べる楽しみやQOL向上など、心と身体の健康を支えることが目標となります。

舌圧の理解と
トレーニングの大切さ

嚥下(飲み込み)の流れを5段階で示す図。①先行期(認知期):食べ物の形・かたさ・温度などを判断する。②準備期(咀嚼期):噛んで唾液と混ぜ、飲み込みやすい食塊を作る。③口腔期:舌の動きで食塊をのどへ送る。④咽頭期:ごっくんと飲み込み、食塊を咽頭から食道へ送る。⑤食道期:食道のぜん動運動で胃へ送る。

舌圧は、舌と口蓋の接触圧のことで、主に食塊を形成し、咽頭に送り込む能力に関係しています。
舌機能が低下すると食塊の嚥下に必要な圧力を生産できず嚥下障害を生じます。
※当院では2年程前から必要に応じて、舌圧測定を行い、ご自宅でのトレーニングをお願いしてきましたが、診察室でのトレーニングが可能になりました。

当院ではJMS舌圧測定器を用いた機能低下のリスク評価を行います

舌圧測定結果。舌圧の測定を客観的に評価。数値で確認できるためトレーニングの励みにも。

当院では、脳卒中や肺炎などで摂食嚥下障害を有している患者さまの評価の一つとして舌圧測定を行っています。
麻酔や廃用(長期間に及び身体の活動性の低下により、肉体的・精神的な機能に悪影響が及び、その結果として現れる症状の総称です)によって、舌運動が低下していて舌圧も低くなっています。
舌圧はトレーニング次第では訓練効果がわかりやすいといった特徴もあり、それが食事能力の向上にもつながっていきます。

その他当院の検査について

口腔機能の改善だけではなく、十分な栄養摂取も含め食べる楽しみやQOL向上など心と身体の健康を支えることが目標となります。

口腔衛生状態不良の評価

口腔の衛生状態は、舌表面を9つの部分に分けて舌苔の付着量で判断します。舌の汚れは、日常のケア不足や舌の機能低下が原因となることがあります。当院では、こうした場合に行う舌の清掃方法についてもご指導しています。

口腔乾燥の評価

口腔の乾燥状態は、唾液の分泌量を測定して評価します。高齢者は、ドライマウスと呼ばれる口腔乾燥になりやすく、改善が容易でないことがあります。そのため、当院では唾液腺のマッサージや口腔体操の実施を推奨しています。

舌口唇運動機能低下の評価

舌や口唇の運動機能の低下は、巧緻性と動作の速度で評価します。「パッ」「タッ」「カッ」の音節を10秒間でできるだけ速く発音してもらい、1秒あたりの発声回数が6回未満の場合は、運動機能の低下と判断します。

咬合力低下の評価

咬合力の低下は、現存する歯の数を基に評価します。残根や動揺度3の歯を除き、20本未満であれば、咬合力が低下していると判断します。

咬合力低下の評価

咀嚼機能の低下は、咀嚼能力検査システムを用いて評価します。被験者には2gのグミゼリーを20秒間自由に咀嚼してもらい、その後10mlの水でうがいして吐き出します。吐き出した液は濾過用メッシュに通し、その中に溶け出したグルコースの濃度を検査システムで測定します。グルコース濃度が100mg/dL未満であれば、咀嚼機能の低下と判断されます。

嚥下機能低下の検査

嚥下機能低下は、質問票に記入していただいた内容によって評価します。

口腔機能の衰え
(オーラルフレイル)による
悪循環

固いものを噛み辛くなった方へ

入れ歯の調子はいかがですか?
合わない入れ歯は噛みづらくなり、口腔機能の低下を招くことがあります。
咬み合わせは時間とともに変わるため、定期的なメインテナンスと咬み合わせの確認が大切です。

食事中にむせやすくなった方へ

最近、食事中にむせやすくなったり、食べこぼしが増えたりする場合は、口腔機能の低下が考えられます。
早めに検査と診断を受け、悪化を防ぐためのリハビリを始めましょう。

食べ物を呑み込めなくなった方へ

「口腔機能低下症」が進行すると、摂食・嚥下障害といった「口腔機能障害」を引き起こす可能性があります。食べたいのにうまく食べられなかったり飲み込みに困ったりする方は、摂食・嚥下機能が衰えているかもしれません。食事の形態や環境も考慮しながら、指導とリハビリを行います。